2013年1月9日水曜日

薬に頼りすぎない


『薬なしで生きる』(岡田正彦著、技術評論社)を読みました。
病院などで診察を受けると、たいてい薬を処方されます。一度に数種類の薬を飲まなければならないことがあります。最近、久しぶりに病院で処方された薬を飲む機会があり、そのとき不意に「薬ってほんとうに効くのかな」「副作用ってないのかな」という疑問がわいてきました。アマゾンで調べたところ、『薬なしで生きる』という本が参考になりそうだとわかり、読むことにしたのです。

薬を飲むと口、胃、腸などの粘膜から吸収されて血液の中に入ります。血液は全身をくまなく巡っています。飲んだ薬の一部は病気になった部分に到達して効果を発揮します。残りの一部は、病気でない部位にも到達します。病気でない部分では、薬の影響で予想外の反応が起きることがあります。そんな反応のうち、本人にとって不都合なものを副作用といいます。薬を飲むということは、患部に効果を与えると同時に健康な部分に副作用をおこさせるのです。副作用という危険性が絶えず存在するのです。

中性脂肪は、薬に頼らなくても生活習慣を改善するだけで大幅に低下させることができます。生活習慣の改善でよい効果を引き出せることは、薬に頼る必要はなさそうです。

私が診ていただいている医師は、薬については「飲まれますか?どうしますか?」と必ず問います。最初、診断に自信がないのかなと思いましたが、実はこの問いかけがたいせつなのかもしれないと考えるようになりました。

医学の専門家は医師です。しかし、自分の体については医師任せでは不十分です。自分でも薬や医学のことを学び、自分の体をどのように扱うのかを自分自身で判断することも必要な気がしてきました。この本を読んでいるうちに、医師と患者が共同しながらよりよい治療方法を発見していくことが重要だという考えがつのってきました。

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2013年1月8日火曜日

くしゃみで腰痛


くしゃみで腰痛

2004年5月16日のことである。当時、メジャーリーグのシカゴ・カブスの主砲であったサミー・ソーサ―選手が、サンディエゴ・パドレス戦で激しい腰痛をおこした。そのために、15日間、故障者リスト入りしてしまったことがある。腰痛の原因は「くしゃみ」であった。くしゃみをしたために激しい腰痛を起こしたのである。

このニュースを知ったとき、スポーツ選手の健康管理に「くしゃみ対策」を加える必要がある、と強く感じたことをおぼえている。それ以来、私は大学の講義(コーチング論)で、くしゃみだけではなく、ふとんの持ち上げ方、バッグの持ち方、洗面時の動作など、日常生活動作のしかたを教えるようになった。

トレーニングのときには体に大きな負担をかけるが、日々の生活の中では体にかかる負担をできる限り少なくすることがたいせつなのである。

ところで、ソーサー選手がくしゃみで腰痛になったのは、くしゃみによって腰椎に大きな負荷がかかったためである。くしゃみに仕方にもよるが、豪快にくしゃみをすると腰椎には300~400kgの負荷がかかる、という報告もある。これだけの負荷がかかれば、腰痛を起こすのもうなずける。

私もかつて寝込むほどの腰痛になったことがある。最近は激しい腰痛を起こすことはないが、くしゃみをするたびに腰に軽い痛みを感じることはしばしばある。用心のために、立ってくしゃみをするときには、両ひざを軽く曲げてひざに手をおき、背を丸めてから、やさしくくしゃみするようにしている。イスに座っているときには、テーブルやひざに手をおき、背を丸めてくしゃみしている。これだけの用心で、くしゃみで腰痛になることはかなり防げるようである。

二本の足で立つことを選んだ人間は、手を使えるようになり、そのおかげで脳が発達した。しかし、その代償として腰痛を起こしやすい体になってしまった。くしゃみぐらい、とあなどらないで、用心することである。

2013年1月3日木曜日

あのひと言を反省

『ひと言の思いやり』(金平敬之助著、PHP研究所)をよむ。

<「人間は健康を失えばすべてを失う」
健康セミナーで聞いた言葉だ。
一瞬頷いたが、すぐ懸念した。
病気の人が聞いたら、どうだろう。
こんな辛い言葉はないだろう。
そこで、私は言い換えを考えた。
「人間は勇気を失えばすべてを失う」>

という文章にであったとき、ひょっとして私がいった言葉ではないだろうかと気になった。私は、講演会のとき、ある経済学者の言葉として「健康がすべてではない、しかし健康でなければすべてはない」という言葉を紹介することがあったからである。

健康でなければすべてはない、という言葉は健康のたいせつさを伝えることがねらいである。しかし、金平さんのいうように、健康でない人がこの言葉を聞けば、たいへんつらい思いをされるはずだ。健康の重要性だけに目が向いてしまい、思いやりのないひと言を発してきたことを深く反省するばかりであった。

同じことは体力にもあてはまる。体力はすぐれている方がいい、劣っている人は大いに体力を高めよう、という考えも体力至上主義のようで考えなおさなければならない。

体力がすぐれていても、それを善用しなければ意味がない。なみはずれた体力を悪用したのでは、体力はすぐれているのがよい、などと力説などできない。

「ひと言の思いやり」に心がけることのたいせつさを学んだ。

2013年1月2日水曜日

日本語の表記

梅棹忠夫著『日本語と事務革命』(くもん出版)をネット販売でみつけ、さっそく購入した。購入した理由は、「日本語の表記」について参考になることが書いてある気がしたからである。

授業用テキスト、出版用の本、講演会資料など、わたくしは文章を書く機会が多いほうだと思う。ワープロ機能を利用して文章をうつたびに気にかかることは、漢字の使用である。ひらかなで入力すると、パソコンは勝手に漢字になおしてくれる。辞書をひかなければ書けない漢字も、入力すると同時に画面に打ちだされる。そうとう意識しないと、漢字だらけの文章になってします。私は、できる限り漢字の使用をおさえて文章につくりたいと常に考えている。しかし、どうしても漢字の使用が多くなり、字面が黒っぽくなる。

大学生のころ、ひらかなタイプライターを購入して、わかちがきをとりいれながら文章をうっていた。このきっかけは、梅棹忠夫の名著といわれている『知的生産の技術』(岩波新書)を読んだことである。この本に、ひらかな表記が紹介されていて、それに触発されたのである。

しかし、ひらかなだけで文章をつくることはながく続かなかった。私の好みの表記表は、ひらかなと漢字とカタカナを適度に配分するものである。改めて、文章の表記法を考えたいときに『日本語と事務革命』を見つけたのである。

この本で梅棹氏はワープロがもたらした効用を認めながらも、次のようなワープロの弊害を指摘している。
「手がきでは日本語の表記がたいへんむつかしいので、おのずからある程度の単純化・簡易化がすすんできたわけです。たとえば漢字がだんだんへり、漢字自体も簡略化されつつありますね。ところが機会は律儀ですから、全部かいてしまう。自分がきちんとした字をかけなくても、ただおすだけでどんどんでてくる。そうするとつい漢字のおおい文章になってしまう。」

漢字が混じっている文章は、漢字から意味を読み取ることができるので読むのに都合がいい。しかし、書くときにはたいへん苦労する。

日本は、当用漢字を決めて、漢字を減らす努力をしてきた。しかし、最近のデジタル化によって逆に漢字のおおい文章が増えている。

私としては、漢字をやや少なめにすることにつとめ、かつ読みやすい文章をつくることをめざしたい。

2013年1月1日火曜日

プロ野球界は高齢化


スポーツ科学(第3回)

プロ野球界の高齢化

プロ野球界は高齢化である。40歳以上を高齢とすると、トップ選手として活躍している高齢の現役選手(201212月現在)は次のようである。

47歳 山本昌(中日ドラゴンズ)
44歳 山崎武司(中日ドラゴンズ)
44歳 木田優夫(北海道日本ハムファイターズ)
43歳 桧山進次郎(阪神タイガース)
43歳 中嶋聡(北海道日本ハムファイターズ)
42歳 谷繁元信(中日ドラゴンズ)
42歳 宮本慎也(東京ヤクルトスワローズ)
41歳 前田智徳(広島東洋カープ)
40歳 和田一浩(中日ドラゴンズ)
40歳 稲葉篤紀(北海道日本ハムファイターズ)
40歳 西口文也(埼玉西武ライオンズ)

野球の基本の動きは投げる、打つ、走る、守ることである。いずれも、力強くて素早い動きが要求される。こういった動きを生み出すのは「速筋線維」である。

筋肉は数多くの細胞があつまってできている。筋肉をつくっている細胞を「筋線維」とよぶ。筋線維は大きくわけると2種類ある。「速筋線維」と「遅筋線維」である。

速筋線維は、大きな力を瞬間的にだすことができる。一方、遅筋線維は大きな力を発揮することはできないが、力を長く出し続けられる。野球の基本の動きでは、主に速筋線維が働く。

速筋線維は遅筋線維よりも加齢にともなう衰えが早い。30代半ばころから衰えが始まる。40代であっても現役選手として活躍できるのは、筋トレや生活管理などで速筋線維の衰えを防ぐ努力をしているからだといえる。とくに大切なのは筋トレである。

速筋線維の衰えを防ぐに筋トレは、重い負荷で素早く筋肉を収縮させることが必要である。プロ野球の高齢選手たちが活躍している背景には、こういったトレーニングを取り入れていることが考えられる。

ただし、重い負荷で筋肉を素早く収縮させる筋トレは、筋肉などの運動器を傷める危険性が高い。高齢選手たちは、こういった危険性への対応に十分に配慮しているのだろう。

マラソンは体脂肪で勝負


スポーツ科学(第2回)

マラソンは体脂肪で勝負

体脂肪が少ないほど競技力向上に役立つと勘違いして、必要以上に体脂肪を落としているスポーツ選手がいる。体脂肪が少なすぎると、競技力の低下だけではなく、たいせつな健康を損なうことにもなりかねない。

スポーツ競技の中でもマラソンのような持久力を要する運動では、体脂肪量が適度にあることがスタミナ切れ防止に役立つのである。体脂肪には次のような役割がある。持久力を要する運動では、この中のとくに①と②の役割が重要となる。
①大量のエネルギーを貯える。
②エネルギーを長時間、供給できる。
③体温を保つのに役立つ。
④脂溶性のビタミンを運搬する。
⑤月経を発現させるのに貢献する。

マラソン選手たちは2時間以上かけて走る。この間、エネルギーを絶えさせてはいけない。エネルギー源となる栄養素は、主に糖質と脂質である。糖質は、ダッシュのように酸素供給が不十分な状況でもエネルギーを出せる。しかし、貯蔵量が少ないのですぐ枯渇する。脂質は、エネルギーを出すために酸素を必要とする。しかし、貯蔵量が多いのでエネルギーを長時間にわたって供給できる。マラソンのような持久力を必要とする運動で体脂肪が役立つというのは、この理由による。

女性スポーツ選手の場合には、体脂肪の減り過ぎは月経異常の原因となる。女性の体の働きを害さないためにも、適量の体脂肪は欠かせない。女性の場合、体脂肪率を17%以下にしないことが健康維持にとって必要である、という考えが報告されている。

体脂肪が増えすぎると肥満症などの病気を起こしやすくなる。少なすぎても持久力低下や健康障害を起こす。持久種目のスポーツ選手は、適量の体脂肪を保つことを心がけるのがよい。その目安は、次のようである。
男性 10~19%
女性 20~29%

2012年12月31日月曜日

スポーツ選手のけいれん

スポーツ科学(第1回)

スポーツ選手のけいれん


“けいれん”といえば、2007年に開催された大阪世界陸上で、日本選手を襲った「けいれんの連鎖」が思い出される。短距離走の末續慎吾選手、棒高跳びの澤野大地選手、走り高跳びの醍醐直幸選手がけいれんを起こし、満足に戦うことができなかったのである。

けいれんには。全身に起こる全身性けいれんと、体の一部の筋肉だけに起こる局所性けいれんがある。澤野選手は全身性けいれん、末續選手と醍醐選手は局所性けいれんだった。

筋肉が急激に縮み、自分の意志では筋肉の緊張をほぐすことができない状態のことを”けいれん“という。けいれんが起きると、体を思い通りに動かせなくなる。痛みをともなうこともある。

けいれんの原因はいくつかが考えられる。筋肉の疲労、体内の水分不足、体の冷え、カリウムやカルシむなどの栄養不足である。

けいれんを防ぐには、疲労回復、水分補給、体の保温、適切な栄養摂取を心がけることが必要である。

精神的ストレスもけいれんの原因となる。「勝たなければ」といったストレスが交感神経の働きを活発にさせ過ぎて、筋肉のけいれんを起こさせることもある。「なるようになれ」といった開き直った気持で試合に臨むことは、けいれん対策として勧められる。そんな気楽な試合などめったにないので、この方法は実用的ではないかもしれない。