2012年3月10日土曜日

今日の本

久坂部羊 『第五番』 (幻冬社)

職業は、その目的が達成されると存在価値を失うことがある。例えば”医者”という職業である。この世界から病気が完全に撲滅されれば(可能性は極めて低いが)、医者の存在価値はなくなる。医者は病気を撲滅することを目指しながら、医者という職業を存続させるために、心のどこかで病気が撲滅されることを望んでいないかもしれない。この本の帯に書かれているように「誰より医者が、劇烈な疫病を望んでいる」のかもしれない。

いったい職業とは何か、その存在価値は何か、その職業を存続させることの意義や方法など、職業に関わることをさまざまに考えさせられた。

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