2023年4月21日金曜日

メモ(70) どちらが従順?

 飼い主は、犬を毎日散歩させ、決まった時間に餌をやり、催促されればボールを投げ、体調を崩せば病院に連れて行く。飼い主の方こそ犬の思い通りになっているのではなかろうか。どちらが従順なのか。実態は定かではないのである。

土屋 賢二. 長生きは老化のもと (文春文庫) (p.84). 文藝春秋. Kindle 版. 

メモ(69) 個性が伸ばせない仕組み

 重要なのは子どものころの教育だ。さいわい、日本人の子どもはほとんど、寝ろと言われれば寝、食べろと言われれば食べ、授業中座っていろと言われれば座るなど、大した理由もないのに命令に従わされてきた

途中、「個性を伸ばせ」と言われ、従順の道を捨てかけても、浴衣で登校したり、従業中編み物をしたりすると、「協調性がない」と注意されるから、個性を目指すのは断念する仕組みになっている。

土屋 賢二. 長生きは老化のもと (文春文庫) (p.83). 文藝春秋. Kindle 版. 

メモ(68) タイミング

何事にもタイミングというものがある。

結婚相手と一番良好な関係を保てるのは、二人が知り合う前だ。楽器の習得に一番熱意が高まるのは、楽器を買うときだ。禁煙の意欲が最も高まるのは健康診断を受けた直後だ。

学習意欲が一番高まるのは、入学前と卒業直後だ。次のピークは、子どもができたときだ。われわれはこどものころは教育されるのを嫌うが、大人になると教育熱心になる。自分の人生がうまくいかないのは勉強不足のせいだと思うからだ。何と言っても、自分が勉強するよりは子どもを叱って勉強させる方がラクなのだ。

土屋 賢二. 長生きは老化のもと (文春文庫) (p.76). 文藝春秋. Kindle 版. 

メモ(67) 自慢の理由

おっさんはあきらめない。「昔はよかった」「最近の若者はなっていない」と嘆き、時代が悪いと結論づけるのだ。悪いのは時代であり、教育であり、政治であり、スマホである。自分に問題があるという可能性は脳裏をよぎらない。まして、まわりが思っているように自分が無価値だとは夢にも思わない。無価値でないかという疑念を打ち消すために、懸命に自慢しているのだから。

土屋 賢二. 長生きは老化のもと (文春文庫) (p.71). 文藝春秋. Kindle 版. 

2023年4月19日水曜日

メモ(66) 老化と口数

 歳とともに多くが変化するが、とくに顕著なのは口数の減少である。

土屋 賢二. 長生きは老化のもと (文春文庫) (p.54). 文藝春秋. Kindle 版. 

メモ(65) 脂肪の蓄積

 飢餓に備えて脂肪を蓄えているにしても、こんなに大量の脂肪を死ぬまでに使い切れるのか。どうしても貯める必要があるなら、脂肪の貯めすぎで成人病になるのはやめにしてもらいたい。

土屋 賢二. 長生きは老化のもと (文春文庫) (p.52). 文藝春秋. Kindle 版. 

メモ(64) 死ぬ直前まで元気で

年をとると筋力などが奪われるが、衰え方が激しすぎる。ここまでヨボヨボにする必要があるのか。どうしても死ななくてはならないのなら「パッと散る」でいいはずだ。徐々に衰える必然性がどこにある。三分あれば急死するには十分だ。死ぬ三分前まで元気でいる仕組みにしてほしかった。

土屋 賢二. 長生きは老化のもと (文春文庫) (p.52). 文藝春秋. Kindle 版.