2023年4月19日水曜日

メモ(60) 自分のことはどれだけ分かるのか

自分の目や耳で確認できるのは氷山の一角にすぎない。自分の寝顔や後ろ姿、真上から見た姿は、自分では分からない。目のさめるようなハンサムである可能性も捨てきれない。

心については、情報量はさらに悲惨だ。自分が何を望んでいるかということですら、確固たる情報はない。ファッションでも食べ物でも、専門家が創出した需要や欲求をそのまま受け入れているし、映画や小説など、どこで泣かせ、どこで笑わせるか、計算通りに操られている。異性の好みでさえ、最近は人工知能に教えてもらう時代なのだ。

土屋 賢二. 長生きは老化のもと (文春文庫) (p.35-36). 文藝春秋. Kindle 版. 

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