2013年8月11日日曜日

反応よりも筋肉の収縮力と収縮速度の衰えとの闘い

体力テストの中に「全身反応」テストがある。刺激を受けてから動作を開始するまでの時間を測る。この時間が短いほど、反応は優れている。

「全身反応」テストでよく利用されるのは、光刺激(光の点灯)を合図にできる限り素早く垂直跳びを行い、光刺激から足が床を離れる瞬間までの時間を測る方法である。

大学の研究室でゼミ学生らの全身反応時間を調べたことがある。私も被験者として参加した。66歳の私の全身反応時間はというと、平均すると0.300秒であった。この結果は、20歳の学生の多くよりすぐれていた。

ところが、私の垂直跳びは40cmであり、学生よりもかなり劣っていた。垂直跳びは筋力とスピードの能力が影響する。

全身反応と垂直跳び結果からわかることは、垂直跳びに比べて全身反応は加齢による衰えが少ないということである。このことは、多数の被験者から抽出した結果からも明らかである。

図は、20歳のときの値を100%として求めた全身反応と垂直跳びの年齢による変化である。

この図からわかるように、20歳から66歳までの衰え方は全身反応よりも垂直跳びの方が著しいのである。

イチロー選手を始め野球選手としては高齢に属する打者たちでは、反応の衰えもあるが、それ以上に筋肉の収縮力(筋力)や収縮速度の衰えを遅らせることが重要課題となる。

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