2013年1月19日土曜日

節度をまもる

トレーニングの効果をあげるには「過負荷の原理」を守らなければいけません。

過負荷の原理とは、要するに適度な負荷をかけなければ運動の効果は得られない、ということです。適度とは、強すぎもせず弱すぎもしない強度ととらえられています。

強度が強すぎると、運動の効果が得られません。それどころか、体に負担がかかり過ぎて、けがをしたり病気になったりすることがあります。

かといって強度が弱すぎると、運動が原因でけがや病気になることはありませんが、体におよぼす刺激は小さすぎて運動の効果はあらわれません。

トレーニングで体力を高めようとするとき、どちらかといえば強度が強くなりすぎることが多いようです。これは、人間に共通した傾向かもしれません。

大築立志さん(東京大学教授)は、指示された強度と実際に発揮した筋力の関係を研究されたことがあります。その結果によれば、たとえば「20%の力を出してください」と指示されると40%の力を、「60%の力を出してください」と指示されると80%の力を出すことがわかったというのです。人間は、余分な力をだすような仕組みを備えているようです。

「節度」という言葉があります。新明解国語辞典によると「人に迷惑をかけないように、自分がそうしたいと思う事でも、ある程度で抑制すること」という意味です。こんな言葉が存在するということは、人間には「度を超す」すなわち「適度を超す」という性質がときどき現れるからだと思われます。

最近、社会で起きているさまざまな事故や事件の背景には、「節度を守る」ことがおろそかにされ「度を超す」る風潮があるような気がします。



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