2013年1月2日水曜日

日本語の表記

梅棹忠夫著『日本語と事務革命』(くもん出版)をネット販売でみつけ、さっそく購入した。購入した理由は、「日本語の表記」について参考になることが書いてある気がしたからである。

授業用テキスト、出版用の本、講演会資料など、わたくしは文章を書く機会が多いほうだと思う。ワープロ機能を利用して文章をうつたびに気にかかることは、漢字の使用である。ひらかなで入力すると、パソコンは勝手に漢字になおしてくれる。辞書をひかなければ書けない漢字も、入力すると同時に画面に打ちだされる。そうとう意識しないと、漢字だらけの文章になってします。私は、できる限り漢字の使用をおさえて文章につくりたいと常に考えている。しかし、どうしても漢字の使用が多くなり、字面が黒っぽくなる。

大学生のころ、ひらかなタイプライターを購入して、わかちがきをとりいれながら文章をうっていた。このきっかけは、梅棹忠夫の名著といわれている『知的生産の技術』(岩波新書)を読んだことである。この本に、ひらかな表記が紹介されていて、それに触発されたのである。

しかし、ひらかなだけで文章をつくることはながく続かなかった。私の好みの表記表は、ひらかなと漢字とカタカナを適度に配分するものである。改めて、文章の表記法を考えたいときに『日本語と事務革命』を見つけたのである。

この本で梅棹氏はワープロがもたらした効用を認めながらも、次のようなワープロの弊害を指摘している。
「手がきでは日本語の表記がたいへんむつかしいので、おのずからある程度の単純化・簡易化がすすんできたわけです。たとえば漢字がだんだんへり、漢字自体も簡略化されつつありますね。ところが機会は律儀ですから、全部かいてしまう。自分がきちんとした字をかけなくても、ただおすだけでどんどんでてくる。そうするとつい漢字のおおい文章になってしまう。」

漢字が混じっている文章は、漢字から意味を読み取ることができるので読むのに都合がいい。しかし、書くときにはたいへん苦労する。

日本は、当用漢字を決めて、漢字を減らす努力をしてきた。しかし、最近のデジタル化によって逆に漢字のおおい文章が増えている。

私としては、漢字をやや少なめにすることにつとめ、かつ読みやすい文章をつくることをめざしたい。

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