2013年5月25日土曜日

三浦雄一郎さん、エベレスト登頂成功

三浦雄一郎さんが、80歳で世界最高峰のエベレスト(標高8848メートル)登頂に成功した。最高齢、最高峰登頂である。

総務省統計局のデータによると、日本の80歳以上の人口は789万人、総人口の6パーセントである。およそ100人に6人が80歳以上であり、三浦雄一郎さんの80歳はとくに高齢という印象はつよく受けない。

しかし、世界最高峰を登頂できた体力には感心する。三浦さん自身が述べているように、日々の生活習慣が高いレベルの体力を作り上げたのであろう。私は標高600メートルほどの山を散策することがあるが、それでも荷物を背負って歩くとそこそこに疲れる。8000メートル級の山に登るとなると、かなりの体力が要求されることは想像しただけでも分かる。
一般に体力は20歳代をピークに、それ以降は歳をとるごとに低下していく。このような加齢に伴う体力低下は、自然の成り行きである。

体力を要素に分けて、それぞれの要素の加齢による低下を見ると、図のようになる。

筋力のように加齢による低下が比較的ゆっくりしているものがあれば、バランスのように20歳から急激に低下するものもある。このような加齢による体力低下から判断すると、三浦さんは登山で必要なバランスの衰えを防ぐことに気を使ったのではないかと予想できる。

かつて三浦さんとお会いしたとき、30キロほどのリュックを背負い、3キロほどのアンクルウェイトを足首に巻いて、毎日歩いていると教えてくださった。30キロのリュックを背負えば、重心が高くなり、バランスが悪くなる。バランスが悪い状態で歩くことで、バランス能力が鍛えられていったと考えられる。


三浦雄一郎さんの快挙は、多くの高齢者に勇気を与えてくれたはずだ。ある目的を達成するために毎日の生活を律すれば、高齢者でもその目的を達成できることを証明してくれた。ありふれた言葉であるが、日々の積み重ねが年老いてもたいせつだということだろう。

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