たいして忙しかったわけではありませんでしたが、ブログの更新を1カ月以上も滞ってしまいました。
久ぶりのブログでは、私の新著を紹介します。
『体がみるみるラクになる大人のストレッチ 痛みやゆがみが解消する 20秒ストレッチ』 (永岡書店) 1,300円
この本のタイトルに、あえて「大人」を含めました。
大人は、絶頂期にあった体力が下り始める時期にあたります。この時期に行う運動は、元気にあふれた若いころのようにがむしゃらであってはいけません。
安全かつ効果的に運動するために、運動の原理や原則を理解し、知的な手順で運動することが必要となります。「がむしゃら」から「知的」に運動することが、大人には欠かせない条件だと思います。
この本では、38ページにわたって、知的運動方法を実践するために必要な知識を紹介しています。
こういった知識に基づいたストレッチの具体的な方法についても、できる限りていねいに紹介しています。
後半の部分では、スポーツを行う大人のためのストレッチ方法についても紹介しています。
ストレッチを実践していただくのがいちばん好ましいことですが、運動する気にならない日はこの本を読むだけでも自分の健康について考える機会を得られることと信じております。
2013年10月17日木曜日
2013年9月4日水曜日
イチロー選手と年齢
イチロー選手が日米通算4000安打を達成した前後に、私はテレビ局や新聞社などの取材を受けた。取材のとき、必ず聞かれる質問は40歳間近のイチロー選手の体力などについてである。イチロー選手自身も年齢と体力の関係について問われている。
私の年齢についての考えは、イチロー選手と同じである。イチロー選手は「年齢への偏見がなければ」という言葉を使って、彼自身、まだまだプレーできることを表現していた。
多くの人たちが日常つかっている「年齢」は「暦年齢」のことである。生まれ年から数えた年齢である。誕生日を迎えるたびに年齢は1歳ずつ増す。暦年齢は戻すことも進めることも留まることもできない。誕生日ごとに確実に1歳ずつ年をとっていく。
年齢を表すのは暦年齢だけではない。「体力年齢」「骨年齢」「皮膚年齢」などもある。人の能力を暦年齢だけで判断するのは偏っている。何を評価したいかによって判断基準とする年齢を変えなければいけない。
野球選手として評価するとき、暦年齢だけでは判断できない。体力年齢などを利用することが重要となる。体力年齢は、概ね暦年齢に関係している。しかし、遺伝によって引き継がれた能力、トレーニング、生活習慣などによって体力年齢は変化する。同じ暦年齢でも、恵まれた遺伝子を持ちトレーニングに励む者の体力は優れたものとなる。逆に、遺伝子に恵まれずトレーニングもしない者の体力は、暦年齢が30歳でも体力年齢は60歳だということもある。
イチロー選手は、野球選手としての評価を暦年齢だけでするの年齢への偏見であり、野球選手として重要な体力年齢などで評価すべきである、ということを伝えてくれたように思う。
それにしても、イチロー選手の発言は要点だけ述べた一言であるが、その一言は深い内容を含んでいるのである、と感心するばかりである。
私の年齢についての考えは、イチロー選手と同じである。イチロー選手は「年齢への偏見がなければ」という言葉を使って、彼自身、まだまだプレーできることを表現していた。
多くの人たちが日常つかっている「年齢」は「暦年齢」のことである。生まれ年から数えた年齢である。誕生日を迎えるたびに年齢は1歳ずつ増す。暦年齢は戻すことも進めることも留まることもできない。誕生日ごとに確実に1歳ずつ年をとっていく。
年齢を表すのは暦年齢だけではない。「体力年齢」「骨年齢」「皮膚年齢」などもある。人の能力を暦年齢だけで判断するのは偏っている。何を評価したいかによって判断基準とする年齢を変えなければいけない。
野球選手として評価するとき、暦年齢だけでは判断できない。体力年齢などを利用することが重要となる。体力年齢は、概ね暦年齢に関係している。しかし、遺伝によって引き継がれた能力、トレーニング、生活習慣などによって体力年齢は変化する。同じ暦年齢でも、恵まれた遺伝子を持ちトレーニングに励む者の体力は優れたものとなる。逆に、遺伝子に恵まれずトレーニングもしない者の体力は、暦年齢が30歳でも体力年齢は60歳だということもある。
イチロー選手は、野球選手としての評価を暦年齢だけでするの年齢への偏見であり、野球選手として重要な体力年齢などで評価すべきである、ということを伝えてくれたように思う。
それにしても、イチロー選手の発言は要点だけ述べた一言であるが、その一言は深い内容を含んでいるのである、と感心するばかりである。
2013年8月25日日曜日
時にはまわりの自然を見ながら歩こう
私の自宅の前に水無瀬川がある。自然の川ではない。人工的に作られた川である。川は人工であるが、この川には鯉、名前のわからない小魚、亀、蛙などの自然の生き物が住んでいる。サギ、鴨などが飛来する。雀、鳩、カラスなども、この川のまわりにたくさんいる。
水無瀬川のほとりは、ウォーキングコースになっている。このコースを妻といっしょに歩き始めて3年になる。健康のためにウォーキングを始めたのである。ところが、いつの間にか、水無瀬川にいる生き物に出会うためにウォーキングに出かけるようになってしまったようだ。
生き物を見つけるたびに立ち止まり、しばしその姿を見ながら時を過ごす。だから、ひたすら歩き続けることはない。歩いたり、立ち止まったりしながら、ウォーキングをする。
体力の維持、肥満の予防のためであれば、たびたび立ち止まりながらのウォーキングは適さない。歩き続ける方が効果は高まる。
しかし、ウォーキングの目的は肉体への効果だけではないと思う。心によい効果を及ぼすことも、ウォーキングのたいせつな目的である。私たち夫婦が行なっている、しばしばウォーキングを中断して生き物との出会いで心の安らぎを得るウォーキングは、心理的ストレスを和らげてくれる。こんなウォーキングもいいものだと、最近つよく感じるようになった。
脇目も振らず、黙々とウォーキングをしている人は、一度、立ちどまりながらまわりの自然と触れ合う間を置くことをお勧めする。
水無瀬川のほとりは、ウォーキングコースになっている。このコースを妻といっしょに歩き始めて3年になる。健康のためにウォーキングを始めたのである。ところが、いつの間にか、水無瀬川にいる生き物に出会うためにウォーキングに出かけるようになってしまったようだ。
生き物を見つけるたびに立ち止まり、しばしその姿を見ながら時を過ごす。だから、ひたすら歩き続けることはない。歩いたり、立ち止まったりしながら、ウォーキングをする。
体力の維持、肥満の予防のためであれば、たびたび立ち止まりながらのウォーキングは適さない。歩き続ける方が効果は高まる。
しかし、ウォーキングの目的は肉体への効果だけではないと思う。心によい効果を及ぼすことも、ウォーキングのたいせつな目的である。私たち夫婦が行なっている、しばしばウォーキングを中断して生き物との出会いで心の安らぎを得るウォーキングは、心理的ストレスを和らげてくれる。こんなウォーキングもいいものだと、最近つよく感じるようになった。
脇目も振らず、黙々とウォーキングをしている人は、一度、立ちどまりながらまわりの自然と触れ合う間を置くことをお勧めする。
2013年8月19日月曜日
村上春樹『東京奇譚集』を読む
インターネットでamazonを開き読みたい本探しをするのが、私の日課の一つになっている。
1週間ほど前、いつものようにamazonで本探しをしていたら、「肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却・・・・・。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。」という宣伝文を発見した。私の心をとらえたのは「大切なものを突然に奪われた」という一文である。
私にとって大切なものは妻であり、家族であり、住処であり、仕事であり、自由であり、体力であり、健康であり、・・・・・、と数多くあげることになる。欲張りかもしれないが、本当にたくさんのものが私にとって大切なのである。もし、私にとって大切なものが突然に奪われたら、間違いなく思考は混乱するだろう。投げやりになり、冷静な対応ができないかもしれない。場合によっては、立ち直ることができないかもしれない。
この本(村上春樹 『東京奇譚集』新潮文庫)を通して、災害や事故で大切なものを突然に奪われたとき人間はどのように対応するのか、を私なりに考える機会を与えられた。
1週間ほど前、いつものようにamazonで本探しをしていたら、「肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却・・・・・。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。」という宣伝文を発見した。私の心をとらえたのは「大切なものを突然に奪われた」という一文である。
私にとって大切なものは妻であり、家族であり、住処であり、仕事であり、自由であり、体力であり、健康であり、・・・・・、と数多くあげることになる。欲張りかもしれないが、本当にたくさんのものが私にとって大切なのである。もし、私にとって大切なものが突然に奪われたら、間違いなく思考は混乱するだろう。投げやりになり、冷静な対応ができないかもしれない。場合によっては、立ち直ることができないかもしれない。
この本(村上春樹 『東京奇譚集』新潮文庫)を通して、災害や事故で大切なものを突然に奪われたとき人間はどのように対応するのか、を私なりに考える機会を与えられた。
2013年8月11日日曜日
反応よりも筋肉の収縮力と収縮速度の衰えとの闘い
体力テストの中に「全身反応」テストがある。刺激を受けてから動作を開始するまでの時間を測る。この時間が短いほど、反応は優れている。
「全身反応」テストでよく利用されるのは、光刺激(光の点灯)を合図にできる限り素早く垂直跳びを行い、光刺激から足が床を離れる瞬間までの時間を測る方法である。
大学の研究室でゼミ学生らの全身反応時間を調べたことがある。私も被験者として参加した。66歳の私の全身反応時間はというと、平均すると0.300秒であった。この結果は、20歳の学生の多くよりすぐれていた。
ところが、私の垂直跳びは40cmであり、学生よりもかなり劣っていた。垂直跳びは筋力とスピードの能力が影響する。
全身反応と垂直跳び結果からわかることは、垂直跳びに比べて全身反応は加齢による衰えが少ないということである。このことは、多数の被験者から抽出した結果からも明らかである。
図は、20歳のときの値を100%として求めた全身反応と垂直跳びの年齢による変化である。
この図からわかるように、20歳から66歳までの衰え方は全身反応よりも垂直跳びの方が著しいのである。
イチロー選手を始め野球選手としては高齢に属する打者たちでは、反応の衰えもあるが、それ以上に筋肉の収縮力(筋力)や収縮速度の衰えを遅らせることが重要課題となる。
「全身反応」テストでよく利用されるのは、光刺激(光の点灯)を合図にできる限り素早く垂直跳びを行い、光刺激から足が床を離れる瞬間までの時間を測る方法である。
大学の研究室でゼミ学生らの全身反応時間を調べたことがある。私も被験者として参加した。66歳の私の全身反応時間はというと、平均すると0.300秒であった。この結果は、20歳の学生の多くよりすぐれていた。
ところが、私の垂直跳びは40cmであり、学生よりもかなり劣っていた。垂直跳びは筋力とスピードの能力が影響する。
全身反応と垂直跳び結果からわかることは、垂直跳びに比べて全身反応は加齢による衰えが少ないということである。このことは、多数の被験者から抽出した結果からも明らかである。
図は、20歳のときの値を100%として求めた全身反応と垂直跳びの年齢による変化である。
この図からわかるように、20歳から66歳までの衰え方は全身反応よりも垂直跳びの方が著しいのである。
イチロー選手を始め野球選手としては高齢に属する打者たちでは、反応の衰えもあるが、それ以上に筋肉の収縮力(筋力)や収縮速度の衰えを遅らせることが重要課題となる。
2013年8月2日金曜日
胸を張る
スポーツ選手は、その動作をなぜ行うのか。
新聞や雑誌に載っている選手の写真をみるとき、こんな疑問がしばしば浮かんでくる。8月2日の朝日新聞の夕刊にダルビッシュ投手(レンジャーズ)の投球時の写真が載っていた。
あごを軽く突き出し、左手を入れたグローブを左脇に置き、ボールを握った右手は後頭部のうしろにあり、そして胸を張った姿勢をとっている。そういえば、投手たちはダルビッシュ投手のように投球時に胸を張る。胸を張るのは一体なぜなのか。
脊柱は、頭の側から順に頸椎、胸椎、腰椎の3つの部分に分けれる。このうち胸椎を反らせたとき、胸を張った姿勢になる。胸椎を反らせると肩甲骨の動きがよくなり、肩関節を中心に上腕を大きく動かすことができる。ダルビッシュ投手たちが、投球のときに胸を張るのは上腕の動きを大きくするためである。
この仕組みを知らないと、胸椎を反らさせないで腰椎だけを反らせてします。この姿勢だと、上腕を大きく動かすことはできない。
ハンマー投げの室伏広治選手とトレーナーの咲花正弥さんが著した『ベストパフォーマンスを引き出す方法』(ベースボール・マガジン社)の中で室伏選手は「まねるのは理論であって形ではない」ということを指摘している。外から見た形だけまねようとしても、パフォーマンスを向上させることはむずかしい。たいせつなのは、理論をまねることである。
投手が胸を張ることを形だけでまねると、腰椎を反らせた姿勢をとることになる。理論をまねる人は、胸椎を反らせた姿勢を摂ることでパフォーマンスを高められるのである。
新聞や雑誌に載っている選手の写真をみるとき、こんな疑問がしばしば浮かんでくる。8月2日の朝日新聞の夕刊にダルビッシュ投手(レンジャーズ)の投球時の写真が載っていた。
あごを軽く突き出し、左手を入れたグローブを左脇に置き、ボールを握った右手は後頭部のうしろにあり、そして胸を張った姿勢をとっている。そういえば、投手たちはダルビッシュ投手のように投球時に胸を張る。胸を張るのは一体なぜなのか。
脊柱は、頭の側から順に頸椎、胸椎、腰椎の3つの部分に分けれる。このうち胸椎を反らせたとき、胸を張った姿勢になる。胸椎を反らせると肩甲骨の動きがよくなり、肩関節を中心に上腕を大きく動かすことができる。ダルビッシュ投手たちが、投球のときに胸を張るのは上腕の動きを大きくするためである。
この仕組みを知らないと、胸椎を反らさせないで腰椎だけを反らせてします。この姿勢だと、上腕を大きく動かすことはできない。
ハンマー投げの室伏広治選手とトレーナーの咲花正弥さんが著した『ベストパフォーマンスを引き出す方法』(ベースボール・マガジン社)の中で室伏選手は「まねるのは理論であって形ではない」ということを指摘している。外から見た形だけまねようとしても、パフォーマンスを向上させることはむずかしい。たいせつなのは、理論をまねることである。
投手が胸を張ることを形だけでまねると、腰椎を反らせた姿勢をとることになる。理論をまねる人は、胸椎を反らせた姿勢を摂ることでパフォーマンスを高められるのである。
2013年7月25日木曜日
十種競技は人間の特性を生かしたスポーツ競技
人間が地球上で最高の運動能力を持っているのではない。動物の中には、人間をはるかに上回る身体能力の持ち主たちがいる。
地上最速の動物であるチータは、時速110キロ以上で走るといわれている。ス中を高速度で泳ぐバショウカジキの泳速度は時速100キロ以上である。
では人間が走ったり泳いだりするときの最高速度はどれくらいであろう。
まず、走速度からみてみよう。世界最速のウサイン・ボルト選手がトップスピードで走っているとき、時速44キロに達する。この速度はチータの4割ほどである。
泳ぐスピードはどうであろうか。競泳のセザル・シエロ・フィーリョ選手は50メートルを20秒91で泳いだ。この速度は時速8.6キロで、バショウカジキの1割にも満たない。
走るスピードも泳ぐスピードも、人間は動物に勝てない。では、ジャンプ力はどうであろうか。
脚力だけでもっとも高く跳んだのは、バスケットボールのデイヴィッド・トンプソン選手である。ギネスブック入りした垂直跳びの記録は122センチであった。これは身長の0.63倍の高さである。ところが、ノミは身長の9倍の高さを跳ぶ。ジャンプ力も人間が優れているとはいえない。
じゃあ人間の身体能力は総て劣っているのか、というとそうではない。走る、跳ぶ、投げる、泳ぐといったさまざまな身体能力を総合的に発揮できるのは、動物界で人間だけである。人間は総合的身体能力に優れ、ほかの動物は特化された身体能力だけが優れているのである。
走・跳・投を競い合う男子十種競技と女子七種競技は、まさに人間だけに与えられた総合的身体能力を競い合うスポーツだといえる。
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